誕生日と十三回忌
コロナ前までお世話になった定宿のナックルア通り側に、
通称ドイツ町がありドイツ料理レストランが幾つかある。
ホテルからも秒数の明るいレストラン「P」があった。
夫婦二人で初めてこの店に入った時、
おばさんウェートレスが通り景観のテーブルに案内してくれた。
メニューを見て注文しようと、
そのおばさんウェートレスに見上げてビックリした。
数年前に亡くした母がいた。
利発ではなかったが働き者だった母によく似ていた。
それから、僅かなお土産を渡して雑談する間柄になった。
コロナ禍でパタヤゴルフができなくなるまで毎年続いていた。
昨年、久し振りに訪ねてみると不在だった。
ウェートレスに訊いてみると、
旦那さんが病気がちでお休みが多いという。
数日後、そのレストランの前を通ると、
母似のおばさんウェートレスが妻に抱きついてきた。
元気だったの?お土産を渡したい!と話はしたが、
その機会は無かった。
今回、来てみるとトタン塀が巡り店は閉鎖されていた。
どこに移転したのだろうと?探し訪ねた…
彼女は辞めていた。
他のドイツレストランのベテランさんが見つかり、
訊いてみると、旦那さんが亡くなり田舎に帰ったという。
実家はどこだったの?…古都アユタヤだという。
今年は母の十三回忌。
今日は亡き母の誕生日である。
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